気密測定の結果、C値が測定不能だった住宅。
私はその後1週間、工事担当者や工事課長とともに床下や小屋裏に入り、気密欠損部を一つひとつ潰して行きました。

現場での是正指示と丁寧な気密処置を重ね、ようやく迎えた再測定の日。
正直、私自身も“祈るような気持ち”で測定に立ち会いました。

結果は——C値4.68㎠/㎡
基準ギリギリではありましたが、気密性能はなんとか確保できました。
お施主様にも測定データをご確認いただき、数値に納得されたうえで、無事にお引渡しとなりました。

この住宅は、「高断熱高気密住宅として建てる」ことを契約条件としていた建物でした。
もし、C値が5.0㎠/㎡を超えていたら、契約違反になっていた可能性があります。

お客様にとっても、住宅会社にとっても、非常に深刻な事態に発展するところでした。

性能を数値で約束する時代だからこそ、こうした事前確認・測定・是正対応のプロセスは欠かせません。

近年、「高断熱高気密住宅」を謳う住宅会社が増えつつありますが、実際に気密測定を行っている会社はまだ一部にとどまります。

たとえ「高気密」とカタログに書いてあっても、実測していなければ、その性能は保証されていないのと同じです。

・寒さの厳しい冬や酷暑の夏を快適に過ごせる家を求めている。

・光熱費を抑える「省エネ住宅」に関心がある。

・家の中の温度差や結露のない快適空間を望んでいる。

・長期的に安心して暮らせる高性能な住宅を建てたい。など、

「性能にこだわる家づくり」をお考えの方は、以下の2点を住宅会社に確認するようにして下さい。 高断熱高気密住宅をお求めの方は、気密測定は義務化されていませんが、気密性能(気密測定の有無や数値)を知ることは必要不可欠のものです。住宅会社に気密測定を行っているか?気密測定を体感できるか?確認を取ってから、家づくりのお話しを進めて行かれることをお勧めします。