高断熱高気密住宅が普及して来ています。高断熱高気密住宅で最も重要なことは、「断熱欠損部」・「気密欠損部」を無くす、「必要換気量」の確保が挙げられます。高断熱高気密住宅=高性能住宅と呼ばれたりしていますが、「断熱欠損」・「気密欠損」・「換気量不足」があると、『欠陥住宅』となってしまいます。

今回は、『気密』についてご説明致します。

〔気密の必要性〕

1. 断熱性能の確保:断熱性能を高めても隙間が多いと、高めた断熱効果が得られない。

2. 計画換気の実現:シックハウス対策の一環として、24時間換気が義務付けされていますが、隙間からの漏気により、換気過多や計画した換気量の確保が難しくなる。

3. 室内の温度差をなくす:隙間が多いと暖かな空気は上昇し、下に冷たい空気が留まるために温度差が出来てしまう。

4. 壁内結露の防止:住宅の高断熱化が進むと、屋内外の温度差が大きくなります。熱は暖かな所から冷たい所に移動する特性があり、冬は暖まった空気は室内から屋外に、夏は屋外から室内に向けて移動します。暖まった空気の移動には空気が持つ湿気(水蒸気)を伴います。『気密』が取れてなく隙間があると、屋内外の温湿度差により一定の条件化では壁内を通る空気が持つ水蒸気が露点に達し、壁の中で結露を起こしてしまいます。この現象は「壁内結露」とか「内部結露」と呼ばれています。「壁内結露」がひどくなると、壁内の腐れ等で建物の耐久性や耐候性の劣化にも繋がります。