私は以前、岩手県にある住まい環境プランニングの技術顧問(当時:住環境アルテ代表)の昆寛さんに高断熱高気密住宅について色々と教えて頂きました。その昆さんがご自身の師匠だとお話しされたのが、「寒地住宅に関して産学共同で研究を行い、その成果を広く一般に普及・啓蒙したい」という有志が集まって1982年7月に設立された『北方圏住宅研究会』(会長:北海道大学長谷川寿夫先生/長谷川先生が亡くなられ研究会は解散)の会員で北欧住宅研究所所長の川本清司さんです。 

川本所長は、流体力学の権威で北見工業大学の坂本弘志先生の最後のお弟子さんと言われた方です。坂本先生の研究結果から、住宅の気密性について外気がどのような状態であろうと、計画された換気量を確保するためには、住宅の気密性能(C値)は0.5㎠/㎡以下にするのが望ましい。とおっしゃっておられます。

また北陸の高断熱高気密住宅の環境性能検証を数多く行っておられ、以前には『北陸の快適な住まいを考える会』で大変お世話になった金沢工業大学の垂水弘夫先生から、高断熱高気密住宅の気密性能は1~2年くらいで2割程度落ちていると伺っております。

現在、住宅の性能競争の感があり、やみくもに性能を追い掛けている嫌いがあります。 
弊社は『気密』については、理論や性能検証での結果に基づき、求める性能数値をC値≦0.3㎠/㎡と設定しております。